燃え殻とは?産業廃棄物の種類・排出量・収集運搬の許可制度まで行政書士が詳しく解説

事業活動を行うなかで排出される廃棄物のうち、法令により指定された20種類が「産業廃棄物」に該当します。
その中でも、【燃え殻(もえがら)】は、焼却処理後に生じる代表的な産業廃棄物のひとつです。
この記事では、燃え殻の定義、該当する具体例、全国の排出量データ、処理状況、さらには燃え殻を運搬する際に必要な許可制度まで、行政書士の視点で詳しく解説いたします。

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燃え殻とは?産業廃棄物における定義と特徴

燃え殻とは、物を焼却した後に残る焼却残さ(しょうきゃくざんさ)のことです。
事業活動において使用された廃棄物を焼却処理した際に発生する粉上の物質が該当します。
燃え殻は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づき、明確に産業廃棄物として分類されています。
業種や企業規模に関係なく、発生する性質を持つため、幅広い事業者にとって無関係ではありません。

燃え殻に該当する例:

  • 焼却炉で出る焼却灰(しょうきゃくばい)
  • ボイラーの燃焼後に残る燃料灰
  • 炉の内部清掃で出る煤(すす)や灰

これらは、いずれも適正な保管・運搬・処理が求められます。

燃え殻の排出量と処理方法(令和4年データ)

環境省が発表した「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(令和4年速報値)」によれば、燃え殻の全国年間排出量は2,270千トンにのぼります。これは、産業廃棄物全体の約0.6%を占める数字です。

処理方法の内訳:

  • 再生利用:71.9%
  • 減量化:5.7%
  • 最終処分:22.4%

このように、環境負荷を軽減するために再資源化が積極的に行われている一方で、一定の量は埋立などによる最終処分となっているのが現状です。

排出業者別の内訳

燃え殻は特定の業種に偏って排出される傾向があります。

排出量の多い業種(令和4年速報値):

  1. 電気業:1,252千トン
  2. パルプ・紙・紙加工製品業:285千トン
  3. 窯業・土石製品製造業:122千トン

特に電気業では、石炭火力発電所などで発生する燃え殻の量が圧倒的です。

燃え殻の収集運搬には許可が必要です

燃え殻を含む産業廃棄物を、事業として他人から委託を受けて運搬するには、「産業廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。これは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条に定められている制度で、許可を得ずに運搬をすると罰則の対象となる場合があります。

許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります:

  • 運送用車両の確保(密閉性、飛散防止対策など)
  • 業務に必要な人員・体制の整備
  • 法定講習の修了(産業廃棄物収集運搬課程)
  • 欠格要件に該当しないこと(破産、前科など)

許可取得の一般的な流れ(新規申請の場合):

  1. 要件の確認(車両、講習修了等)
  2. 必要書類の収集(車検証、住民票、履歴事項全部証明書等)
  3. 申請書類の作成・提出(都道府県等自治体ごと)
  4. 行政審査(2カ月程度)
  5. 許可証の交付

産業廃棄物収集運搬業の許可は、運搬地域(都道府県等)ごとに許可申請が必要となるため、複数の都道府県で業務を行う場合は、それぞれに申請が必要です。
許可申請にあたっては、書類の作成や要件確認があるため、専門家によるサポートを受けることが安全かつ確実な方法です。

産業廃棄物収集運搬業の許可取得は行政書士にお任せください

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産業廃棄物収集運搬業許可の取得をお考えの方はぜひ当事務所にご相談ください。

投稿者のプロフィール

小川祐樹
神奈川県横須賀市出身・在住の行政書士。
中学受験、高校中退、大検取得、大学卒業を経てホームセンター従業員に。ホームセンターで勤務しながら、完全独学で行政書士試験に合格後、即独立。
家族は妻と娘とヒョウモントカゲモドキ。
行政書士以外の取得資格は、登録販売者、危険物取扱者(乙4)、グリーンアドバイザー等。