金属くずとは?産業廃棄物の定義・排出状況・処理方法・許可制度まで行政書士が詳しく解説

事業活動に伴って排出される廃棄物のうち、法令で定められた20種類が「産業廃棄物」として分類されています。
その中の一つである【金属くず】は、鉄・アルミ・銅・ステンレスなどの金属製品の加工・製造・使用により発生する廃材であり、リサイクル資源としての価値も高い産業廃棄物です。
この記事では、金属くずの定義、該当する具体例、排出状況、処理方法、さらに収集運搬に必要な許可制度まで、行政書士の視点で詳しく解説いたします。

産業廃棄物収集運搬業の許可申請をお考えの方へ

当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可申請に関する手続きをトータルでサポートしております。金属くずは、リサイクルの流通先との連携など許可取得には丁寧な準備が必要です。行政書士が的確に支援いたします。

産業廃棄物収集運搬業許可申請についてはこちらをご覧ください。

>>当事務所では産業廃棄物収集運搬業の許可申請を行っております。

金属くずとは?産業廃棄物における定義と特徴

金属くずとは、事業活動において発生する金属製の不要物で、加工の際に発生する切削くずや、使用後の劣化・破損によって排出される金属片などをいいます。非鉄金属・鉄鋼を問わず、金属を主成分とする廃材が対象です。
再資源化の価値が高い一方で、油分や異物が付着しているとリサイクルできず、適正処理が必要となるケースもあるため、取り扱いには注意が必要です。

金属くずに該当する具体例:

  • 金属加工工場で発生する切削粉・ドリルくず
  • 建設現場から出る鉄筋・鉄骨・ステンレス部材の端材
  • 使用済み機械や設備の分解時に出る金属部品
  • アルミ缶・銅線・真鍮製品などのスクラップ
  • 金属製タンク・架台・器具の老朽化による破材

金属くずの排出量と処理方法(令和4年データ)

環境省が発表した「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(令和4年速報値)」によると、金属くずの年間排出量は6,153千トンで産業廃棄物全体の1.7%です。
多くが再資源化されており、有価物として取引されるケースもある一方で、混在物や油分によっては産業廃棄物として処理されます。

処理方法の内訳:

  • 再生利用:96.4%
  • 減量化:1.3%
  • 最終処分:2.4%

排出業種別の内訳

以下は令和4年速報値に基づく主な排出業種です

  1. 鉄鋼業:2,862千トン
  2. 金属製品製造業:260千トン
  3. 輸送用機械器具製造業:243千トン

金属くずの収集運搬には許可が必要です

金属くずを他人から委託を受けて運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
金属くずの形状・重量・安全性を踏まえたうえで、運搬車両の構造や積載基準の確認も必要です。

許可取得の主な要件:

  • 積載強度・飛散防止措置が講じられた車両の確保
  • 講習(収集運搬課程)修了者の配置
  • 必要な体制(事務所、人員、設備)の整備
  • 欠格要件に該当しないこと(破産歴、法令違反歴など)

許可取得の流れ(新規申請):

  1. 要件確認および講習の受講
  2. 必要書類の準備(車検証、履歴事項証明書、住民票など)
  3. 申請書類の作成、自治体への申請書類の提出
  4. 審査(約2カ月)
  5. 許可証の交付・運搬業の開始

金属くずは重量物であり、事故防止や運搬中の管理にも十分な注意が必要です。申請段階での準備が処理業務の円滑化に直結します。

金属くずの収集運搬業許可申請は当事務所にお任せください

当事務所では、金属くずを含む産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請・更新申請・変更届などの行政手続きの支援を行っております。
業種や取扱物に応じた的確な申請内容を設計し、許可取得までの道のりをしっかりサポートいたします。
産業廃棄物収集運搬業許可の取得をお考えの方はぜひ当事務所にご相談ください。

投稿者のプロフィール

小川祐樹
神奈川県横須賀市出身・在住の行政書士。
中学受験、高校中退、大検取得、大学卒業を経てホームセンター従業員に。ホームセンターで勤務しながら、完全独学で行政書士試験に合格後、即独立。
家族は妻と娘とヒョウモントカゲモドキ。
行政書士以外の取得資格は、登録販売者、危険物取扱者(乙4)、グリーンアドバイザー等。