廃油とは?産業廃棄物の定義・排出状況・処理方法・許可制度まで行政書士が詳しく解説
事業活動に伴って排出される廃棄物のうち、法令により指定された20種類が「産業廃棄物」とされており、その一つ【廃油(はいゆ)】があります。
廃油は、事業活動に伴い不要となった油類を指し、環境や安全に大きな影響を与える可能性があるため、厳格な管理と適正な処理が求められます。
この記事では、廃油の定義、具体的な該当例、全国の排出量や処理状況、そして廃油を運搬する際に必要な許可制度まで、行政書士の立場から詳しく解説いたします。
産業廃棄物収集運搬業の許可申請をお考えの方へ
当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可申請に関する業務を幅広く扱っております。
廃油を扱う場合には、液体の運搬に関する法令遵守が重要となります。初めての方でもスムーズに申請できるよう、専門家として全面的にサポートいたします。
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廃油とは?産業廃棄物における定義と特徴
廃油とは、事業活動に伴って排出される不要な油類をいいます。
可燃性・引火性が高いため、火災や爆発のリスク、漏洩による土壌・水質汚染のリスクもあるため、保管や運搬時には特に注意が必要です。
廃油に該当する具体例:
- 工場や整備工場から出る使用済み潤滑油・エンジンオイル
- 飲食店などから出る廃食用油(使用済み天ぷら油など)
- 切削作業後の金属加工油、洗浄油
- 製造ラインで使用された作動油・圧力油
廃油の排出量と処理方法(令和4年データ)
環境省が発表した「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(令和4年速報値)」によれば、廃油の全国年間排出量は2,686千トンで、産業廃棄物全体の0.7%です。
処理方法の内訳:
- 再生利用:45.2%
- 減量化:53.0%
- 最終処分:1.8%
排出業種別の内訳
廃油は、機械を使用する工場や飲食業など幅広い事業分野から排出されます。
排出量が多い業種(令和4年速報値):
- 化学工業:737千トン
- 輸送用機械器具製造業:260千トン
- 鉄鋼業:239千トン
廃油の収集運搬には許可が必要です
廃油を他人の委託で運搬するには、廃棄物処理法に基づく「産業廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。
液体である廃油は、飛散や漏洩のリスクがあるため、車両設備や運搬容器において特別な構造要件がかされることがあります。
また、引火性・揮発性のある油類を扱う場合には、消防法など他法令にも注意が必要です。
許可を取得するための主な要件:
- 廃油対応の密閉容器や車両の保有
- 法定講習の修了
- 事務所・保管場所等の確保
- 欠格要件の非該当(前科、破産歴など)
都道府県ごとに許可が必要になるため、運搬エリアに応じた複数の許可取得が必要なケースもあります。
許可取得の流れ(新規申請)
- 要件確認と講習修了
- 必要書類の収集(履歴事項全部証明書、車検証、納税証明書など)
- 申請書類の作成と提出
- 自治体による審査(約2カ月)
- 許可証の交付・運搬業務開始
廃油の収集運搬業許可申請は当事務所にご相談ください
当事務所では、廃油を含む産業廃棄物収集運搬業許可申請を全国対応でサポートしています。
許可申請の経験がない方でも、書類の収集・作成・提出から、自治体とのやり取りまで、すべてお任せいただけます。
廃油を含む産業廃棄物を安全かつ適法に取り扱うためにも、ぜひ一度ご相談ください。
投稿者のプロフィール
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神奈川県横須賀市出身・在住の行政書士。
中学受験、高校中退、大検取得、大学卒業を経てホームセンター従業員に。ホームセンターで勤務しながら、完全独学で行政書士試験に合格後、即独立。
家族は妻と娘とヒョウモントカゲモドキ。
行政書士以外の取得資格は、登録販売者、危険物取扱者(乙4)、グリーンアドバイザー等。
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